図に示した植物由来の化合物が含む部分構造 111回薬剤師国家試験問10の解説
111回問薬剤師国家試験 問10
下図に示した植物由来の化合物が含む部分構造はどれか。1つ選びなさい。

1 リグナン
2 クロモン
3 フラノクマリン
4 ジテルペン
5 アントラキノン
111回問薬剤師国家試験 問10 解答解説
図に示した植物由来の化合物が含む部分構造は、
選択肢3のフラノクマリンです。

本問の化合物は、クマリン骨格にフラン環が縮合した環状構造が含まれています。
この環状構造がフラノクマリンです。

クマリンとは、ベンゼン環にラクトン環(環状エステル)が縮合した骨格です。

フラン環とは、酸素を1個含む五員環です。

フラノクマリン類は、ミカン科やセリ科の植物によく含まれます。
フラノクマリン類はグレープフルーツ、スウィーティー、夏みかん、八朔、ブンタン、ダイダイなどの柑橘類に含まれ、経口摂取すると小腸の薬物代謝酵素のCYP3A4を阻害します。
さらに、フラノクマリン類は光毒性を示すので、皮膚疾患の原因にもなります。
なお、本問の化合物の名称はベルガモチンであり、
ベルガモットという柑橘類から見つかりました。
ベルガモチンは、部分構造として、フラノクマリンの他、
下記の通りゲラニル基を含むとも言えます。

炭素数5のイソプレン単位から成る構造の総称をプレニル基と呼び、
2つのイソプレン単位のプレニル基(炭素数10のプレニル基)をゲラニル基と呼びます。

以下、他の選択肢について解説
1 リグナン
リグナンは、C6-C3単位が2-4個縮合することにより生成するフェニルプロパノイドです。
リグナンの例として、マツブサ科のチョウセンゴミシに含まれるゴミシンAを示します。

2 クロモン
クロモンとは、ベンゼン環とピラン環が縮合したベンゾピランにケト基が置換した構造です。
クロモン骨格を有する化合物の例として、セリ科のアンミに含まれるケリンを示します。
ケリンは抗アレルギー薬のクロモグリク酸Naのリード化合物です。

4 ジテルペン
ジテルペンは、イソプレン単位4個からなるC20のイソプレノイドであり、
20個の炭素から成る基本骨格を有する化合物です。
ジテルペンの例として、パクリタキセルを示します。
パクリタキセルは、セイヨウイチイに含まれるジテルペンをリード化合物として合成されます。

5 アントラキノン
アントラキノンは、アントラセンの9位と10位がケトン基に置換され、
キノンになった化合物です。
アントラセンを有する化合物の例として、センノシドAを示します。
センノシドAは、マメ科のセンナやタデ科のダイオウに含まれます。
