ヒトでは合成されない、真菌に特異的な細胞膜成分はどれか 111回薬剤師国家試験問14の解説
111回薬剤師国家試験 問14
ヒトでは合成されない、真菌に特異的な細胞膜成分はどれか。1つ選びなさい。
1 ホスファチジルエタノールアミン
2 ホスファチジルセリン
3 スフィンゴミエリン
4 エルゴステロール
5 コレステロール
111回薬剤師国家試験 問14 解答解説
ヒトでは合成されない、真菌に特異的な細胞膜成分は、
選択肢4のエルゴステロールです。

真菌の細胞膜に特徴的な成分は エルゴステロール です。
以下で詳細を解説します。
ヒトと真菌の細胞膜のステロールの違い
ヒトなどの動物細胞の細胞膜には、
ステロールとして主に コレステロール が含まれています。
一方、真菌の細胞膜にはコレステロールではなく、
エルゴステロール が主要なステロール成分として存在します。

以下、各選択肢についての解説
1 ホスファチジルエタノールアミン
ホスファチジルエタノールアミンは、細胞膜を構成するリン脂質の一種です。
真菌に特異的な成分ではなく、ヒトの細胞膜にも存在します。
したがって誤りです。
2 ホスファチジルセリン
ホスファチジルセリンも、細胞膜を構成するリン脂質の一種です。
ヒトの細胞膜にも存在し、特に細胞膜の内側に多く分布しています。
真菌に特異的な成分ではないため、誤りです。
3 スフィンゴミエリン
スフィンゴミエリンは、スフィンゴ脂質の一種で、ヒトの細胞膜にも存在します。
特に神経組織の髄鞘などに多く含まれます。
真菌に特異的な細胞膜成分ではないため、誤りです。
5 コレステロール
コレステロールは、ヒトを含む動物細胞の細胞膜に多く含まれるステロールです。
真菌に特異的な成分ではありません。
したがって誤りです。
抗真菌薬の標的となるエルゴステロール
エルゴステロールは真菌に特異的な細胞膜成分であるので、
真菌とヒトとの違いを利用した抗真菌薬の標的になります。
代表例として、以下のような抗真菌薬があります。
アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾールなど)
作用:ラノステロール14α-脱メチル化酵素を阻害
結果:エルゴステロール合成阻害
テルビナフィン、テルビナフィン、リラナフタート
作用:スクアレンエポキシダーゼを阻害
結果:エルゴステロール合成阻害
ポリエン系抗真菌薬(アムホテリシンBなど)
作用:エルゴステロールに結合
結果:真菌細胞膜障害