錐体外路症状が発現しにくい統合失調症治療薬 111回薬剤師国家試験問29の解説

111回薬剤師国家試験 問29
セロトニン5-HT2A受容体を遮断するため、
錐体外路症状が最も発現しにくい統合失調症治療薬はどれか。1つ選びなさい。
1 ハロペリドール
2 フルフェナジン
3 タンドスピロン
4 リスペリドン
5 エスシタロプラム

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111回薬剤師国家試験 問29 解答解説

 

セロトニン5-HT2A受容体を遮断するため、
錐体外路症状が最も発現しにくい統合失調症治療薬は、
選択肢4のリスペリドンです。

 

111回薬剤師国家試験問29の解説 錐体外路症状が発現しにくい統合失調症治療薬

 

 

以下で解説します。

 

なぜ5-HT2A遮断で錐体外路症状が減るのか

 

統合失調症治療薬による錐体外路症状は、
脳の黒質線条体系でドパミンD2受容体が遮断されることで起こります。

 

通常、線条体ではセロトニンがドパミンの放出を抑えています。

 

ここで5-HT2A受容体を遮断すると、セロトニンによるドパミン放出抑制が弱まります。

 

すると、線条体でのドパミン放出が増え、D2遮断の影響が和らぎます。

 

以下で各選択肢について解説します。

1 ハロペリドール

ハロペリドールはブチロフェノン系の定型抗精神病薬であり、
統合失調症治療薬として用いられます。

 

主に D2受容体遮断作用 により抗精神病作用を示します。
D2遮断作用が強いため、錐体外路症状は出やすいです。

 

したがって不正解です。

 

111回薬剤師国家試験問29の解説 錐体外路症状が発現しにくい統合失調症治療薬

 

 

2 フルフェナジン

フルフェナジンはフェノチアジン系の定型抗精神病薬であり、
統合失調症治療薬として用いられます。

 

主に D2受容体遮断作用 により抗精神病作用を示します。
D2遮断作用が強いため、錐体外路症状が比較的出やすい薬です。

 

したがって不正解です。

 

111回薬剤師国家試験問29の解説 錐体外路症状が発現しにくい統合失調症治療薬

3 タンドスピロン

タンドスピロンは5-HT1A受容体部分作動薬であり、
抗不安薬として用いられます。
統合失調症治療薬ではなく、5-HT2A受容体遮断薬でもありません。

 

したがって不正解です。

 

 

4 リスペリドン

リスペリドンは非定型抗精神病薬であり、
統合失調症治療薬として用いられます。

 

作用として、

 

D2受容体遮断
5-HT2A受容体遮断

 

をもちます。

 

よって、
リスペリドンは錐体外路症状が発現しにくい統合失調症治療薬として正解になります。

 

 

5 エスシタロプラム

エスシタロプラムはSSRIです。
セロトニン再取り込み阻害により抗うつ作用・抗不安作用を示します。
統合失調症治療薬ではなく、5-HT2A受容体遮断薬でもありません。

 

したがって不正解です。

 

 

 

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