切迫流・早産の治療に用いられる選択的アドレナリンβ2受容体刺激薬 111回薬剤師国家試験問35の解説
111回薬剤師国家試験 問35
切迫流・早産の治療に用いられる選択的アドレナリンβ2受容体刺激薬はどれか。
1つ選びなさい。
1 ピペリドレート
2 ジノプロスト
3 リトドリン
4 オキシトシン
5 レボノルゲストレル
111回薬剤師国家試験 問35 解答解説
切迫流・早産の治療に用いられる選択的アドレナリンβ2受容体刺激薬は、
選択肢3のリトドリンです。

以下でリトドリンの作用について解説します。
リトドリンは、選択的アドレナリンβ2受容体刺激薬で、
切迫流産・切迫早産の治療に用いられる子宮収縮抑制薬です。
リトドリンが子宮平滑筋のβ2受容体を刺激すると、アデニル酸シクラーゼが活性化し、細胞内で cAMPが増加します。
その結果、子宮平滑筋が弛緩し、子宮収縮が抑制されます。
切迫流・早産などの妊娠が途中で終わってしまう危険がある状態に対して、
妊娠をできるだけ継続させるための治療としてリトドリンが投与されます。
以下で他の選択肢について解説します。
1 ピペリドレート
ピペリドレートは抗コリン作用をもつ鎮痙薬です。
子宮や消化管などの平滑筋のけいれん性収縮を抑える薬で、
子宮収縮をやわらげる目的で使われることがあります。
ただし、アドレナリンβ2受容体刺激薬ではありません。
ピペリドレートは切迫流産・切迫早産における諸症状の改善を期待して投与されることがあります。
これは、子宮平滑筋のけいれん性収縮を抑え、子宮の張り・腹痛などの諸症状を緩和し、
妊娠継続を助ける目的での使用です。
2 ジノプロスト
ジノプロストはプロスタグランジンF2α製剤です。
プロスタグランジンF2α様の作用により、子宮平滑筋を収縮させます。
これは、切迫流・早産で必要な「子宮収縮を抑える作用」とは逆方向です。
4 オキシトシン
オキシトシンは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンで、
子宮平滑筋を収縮させる作用があります。
これは、切迫流・早産で必要な「子宮収縮を抑える作用」とは逆方向です。
5 レボノルゲストレル
レボノルゲストレルは黄体ホルモン、つまりプロゲスチン製剤です。
主な作用は排卵抑制、受精阻害、子宮内膜変化などです。
レボノルゲストレルは、子宮収縮を抑えるβ?刺激薬ではありません。