TDMの実施が望ましい薬物のうち、臨床用量で体内動態が非線形性を示す薬物 111回薬剤師国家試験問47の解説

111回薬剤師国家試験 問47
TDMの実施が望ましい薬物のうち、
臨床用量で体内動態が非線形性を示す薬物はどれか。
1つ選びなさい。
1 カルバマゼピン
2 ジゴキシン
3 バンコマイシン
4 フェニトイン
5 フェノバルビタール

トップページへ

 

薬剤師国家試験問題集 111回一覧 へ

 

 

111回薬剤師国家試験 問47 解答解説

 

TDMの実施が望ましい薬物のうち、
臨床用量で体内動態が非線形性を示す薬物は、
選択肢4のフェニトインです。

 

111回薬剤師国家試験問47の解説 TDMの実施が望ましい薬物のうち、臨床用量で体内動態が非線形性を示す薬物

 

以下で解説します。

フェニトインは主に肝臓で代謝されて消失します。
主に関与する酵素は CYP2C9、一部 CYP2C19 です。
フェニトインはミカエリス・メンテン型の薬物動態を示します。
臨床用量付近で代謝酵素が飽和しやすく、
投与量を少し増やしただけでも血中濃度が急激に上昇することがあります。
そのため、副作用や中毒が起こりやすく、
血中濃度を確認しながら投与量を調節する必要があります。

 

以下では他の選択肢について解説します。

 

 

1 カルバマゼピン

カルバマゼピンはTDMの対象薬です。
有効域と中毒域が近い薬です。
特徴的なのは、代謝酵素の自己誘導を起こすことです。
つまり、服用を続けると自分自身の代謝酵素を増やし、自分の代謝を速めます。
服用開始後しばらくすると代謝が速くなり、血中濃度が下がることがあります。
よって、カルバマゼピンは広義には非線形的な体内動態を示す薬物と言えます。

 

ただし、この問題で問われている
「臨床用量で体内動態が非線形性を示す薬物」として
最も代表的なのはフェニトインです。

 

2 ジゴキシン

ジゴキシンもTDMが重要な薬物です。
有効域と中毒域が近く、体内動態に個人差が大きい薬物です。

 

しかし、臨床用量で典型的な非線形薬物動態を示す薬物ではありません。

3 バンコマイシン

バンコマイシンもTDMの対象薬です。
有効域と中毒域が近く、体内動態に個人差が大きい薬物です。
腎排泄型であり、腎機能に応じた投与設計が重要です。
近年は、従来のトラフ値(最低血中濃度)を指標にした管理に代わり、
AUCを指標にした管理が重視されます。

 

5 フェノバルビタール

フェノバルビタールもTDMの対象薬です。
有効域と中毒域が近く、体内動態に個人差が大きい薬物です。

 

半減期が長く、血中濃度管理が重要ですが、
臨床用量で非線形性を示す代表薬ではありません。

 

 

トップページへ

 

薬剤師国家試験問題集 111回一覧 へ

トップへ戻る