A群β溶連菌感染に続発することが多いのはどれか 111回薬剤師国家試験問60の解説
111回薬剤師国家試験 問60
A群β溶連菌感染に続発することが多いのはどれか。1つ選びなさい。
1 急性腎炎症候群
2 急速進行性腎炎症候群
3 慢性腎炎症候群
4 反復性/持続性血尿症候群
5 ネフローゼ症候群
A群β溶連菌は、
正式には A群β溶血性レンサ球菌という名称で、
グラム陽性球菌です。
名前を分解すると、
A群:レンサ球菌の分類
β溶血性:赤血球を完全溶血する性質
レンサ球菌:鎖状に連なる球菌
という意味です。
A群β溶連菌は咽頭・皮膚に感染しやすいグラム陽性球菌で、
感染そのものだけでなく、
感染後の免疫反応による急性リウマチ熱や急性腎炎症候群などの続発症が問題となります。
以下では、
A群β溶連菌感染に続発する
急性糸球体腎炎による急性腎炎症候群について詳しく解説します。
A群β溶連菌感染後、
溶連菌抗原に対する抗体が産生されます。
この抗原と抗体が結合したものを 免疫複合体 といいます。
この免疫複合体が血液中を流れて糸球体に沈着したり、糸球体内に存在する抗原に抗体が結合したりすることで、糸球体に炎症が起こります。
免疫複合体が糸球体に沈着すると、補体という免疫システムが活性化されます。
補体は本来、病原体を排除するための仕組みですが、
過剰に働くと周囲の組織も傷つけます。
溶連菌感染後急性腎炎症候群では、血清補体のうち C3が低下しやすい です。
これは補体が活性化され、消費されるためです。
免疫複合体や補体の作用によって、糸球体に炎症が起こると、フィルターの構造が障害されます。
その結果、通常は尿中に出にくい赤血球や蛋白が尿に漏れ出し、
血尿
蛋白尿
が起こります。
糸球体に炎症が起こると、血液をろ過する力が低下します。
その結果、体内の水分やナトリウムを十分に排泄できなくなります。
そのため、
水分貯留
ナトリウム貯留
尿量減少
浮腫
高血圧
が起こります。
A群β溶連菌感染後に続発する
急性糸球体腎炎による急性腎炎症候群の流れは下記の通りです。

A群β溶連菌感染後急性糸球体腎炎は、感染直後ではなく、
1〜数週間後に起こりやすいです。
これは、抗体産生や免疫複合体形成に時間がかかるためです。
